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風の小径 詩片

「悲母」│詩片

 

 

感謝できない奴が、みんな私から離れていく。

 

私の事を、下働きのように皆に尽くし奉仕して当然な人間だと思っている者が、
私が「感謝しろ」と言っただけで、
みんな私から離れていく。

感謝のできない人間が、みんな私を下僕のように扱い「我慢しろ耐えろ」というのだ。

 

男も女も子供も老人もみんな。

 

私からエキスを吸い取り恩恵を受けることが当たり前なので、
感謝以前に供給されて当然だと思っているのだ。

精一杯、自分にできることをして、倒れそうになりながら、
誰にも頼れず、動かない体に鞭打って、
死ぬ思いをして育ててきた子供ですら、私をそう思っているのだ。

 

感謝すらできない者には無を。

永遠の無を。

 

負債は負債
負債は負債
負債は負債

 

一切衆生養育の悲母とはよく言ったものだ。

 

 

私の魂は、永遠に、この悲しみを抱えて生きていく。

 

 

2022/06/30 15:07

 

 

 

たまに思うのだ。
私が作りたかった世界は悲しく惨めな世界なのか、と。
私が生きたかった世界はこんなに悲しく惨めな世界なのかと。
だから時々、全部壊してしまいたくなる。

全部壊して、全部最初から、全部やり直したい。

 

 

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